DNA複製に関与する酵素をわかりやすく解説!

DNA複製の際には、二重らせん構造の2本鎖を離して複製が行えるようにしたり、局所ごとに行われて合成されたDNAの鎖をつなげたりなどと、酵素がなくてはDNAは複製されません。

DNA複製に関与する酵素には以下のようなものがあります!

DNAポリメラーゼ

元のDNAの親鎖を鋳型にして、新しいDNA鎖の3’末端にヌクレオチドを付加していく働きをもつ酵素です。DNAポリメラーゼが付加するヌクレオチドはmAとT、GとCとで相補的になり、常に5’端末から3’端末の方向へ合成されていきます。

DNAポリメラーゼが付加するヌクレオチドはデオキシヌクレオシド三リン酸です。合成中のDNA鎖の3’末端とデオキシヌクレオシド三リン酸の5’リン酸基の間にホスホジエステル結合がつくられます。

重合反応を進めるエネルギーの供給源は付加するヌクレオチド自身です。デオキシヌクレオシド三リン酸の高エネルギーリン酸結合の1つが加水分解されてできたエネルギーによって、ヌクレオチド単量体を新しいDNA鎖の末端につなぎ、ピロリン酸を遊離させるます。ピロリン酸はさらに加水分解されて向きリン酸になります。

修復ポリメラーゼ

DNAポリメラーゼの一種に修復ポリメラーゼ(repair polymerase)と呼ばれるものがあります。これはDNA合成のプライマーとなるRNAを分解し、DNAに置き換える働きを行う酵素です。この際、RNAプライマーに追いついてきている岡崎フラグメントがプライマーに使われます。

RNAポリメラーゼ

DNAを鋳型としてRNAをつくる働きがあります。DNAポリメラーゼと同じように5’から3’の方向に転写を行います。しかし、DNAポリメラーゼとは違って、正しい相補的塩基対の末端がなくても合成をはじめられます。

プライマーゼ

RNAポリメラーゼが合成したRNAは、DNA合成を続けるために正しく塩基配列された3’末端が必要なDNAポリメラーゼがDNA合成を開始するための開始点(プライマー)になります。このようなRNAプライマーを合成する酵素をプライマーゼと呼びます。

プライマーゼは校正を行わないので、ポリヌクレオチド鎖を新しく作り始められます。しかし、校正をしないということは誤ったヌクレオチドを付加させることが多いということです。なのですが、DNAではなくRNAであるため、後に修復ポリメラーゼによって認識されて、プライマーはDNAに合成し直されます。

DNAリガーゼ

ポリヌクレオチドを認識し、ヌクレオチドの切れ目をつなぎます。

エンドヌクレアーゼ

糖とリン酸のつながった二本鎖の一方の化学結合を切り、DNAに切れ目を作ります。

エキソヌクレアーゼ

DNAの二本鎖の1本の自由端を切り取って、ヌクレオチドを除いた部分の鎖を短縮します。エキソヌクレアーゼがあるとき、複製は5’端末から3’端末の方向に作用します。ない場合は逆方向になります。

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