【学校の宿題向け】読書感想文の書き方 – 流れに沿って作文を完成させよう!

「読書感想文を何から書けばよいかわからない!」って人に、読書感想文の書き方や、テーマの探し方についてアドバイスします!

読書感想文は、大きく次の6つのパートに分かれます。

この6つに沿って文章を考えれば、すぐに読書感想文を仕上げることができます!

感想文を書く本は、小説でも、そうでない本(ノンフィクション)でもOKです! どちらでも、書き方に大きな違いはありません。

このウェブサイトには、たくさんの本の読書感想文の例文があるので、参考にしつつ、自分の読書感想文を書いてみてください!

導入

急に本題に入っては違和感があるので、読書感想文は「前置き」から書きはじめましょう!

手紙を書くとき、「こんにちは、お元気ですか?」と書き出しますよね。

手紙で本当に書きたいことは、相手が元気にしているかどうかではなくても、「お元気ですか?」や「最近はいかがお過ごしですか」という、前置きの部分を入れますよね。

これと同じことを、読書感想文でも書きます。

「前置き」は、本題に入るまえの「準備運動」のようなものです。こんなことを書かなくてはならない、という決まりはありませんが、本題に繋がるような内容がいいでしょう。

これからサッカーをするというのに、上半身ばかり準備運動をして、下半身を準備運動しない、ってことはないですよね。

では、誰もが知っている『桃太郎』の前置きの例文をみていきましょう!

例文①

私の好きな季節は夏です。いくつか理由がありますが、その中のひとつは私の大好きな「桃」が最もおいしい季節だからです。 私は桃なら2個でも3個でも食べられます。先日、おいしい桃を食べているとき、桃太郎が入っていた桃のように大きな桃があったらどんなによいだろう、と思いました。しかし、赤ちゃんが入れるほどの桃はどのくらいの大きさでしょうか。少し気になったので、久しぶりに子どもの頃に読んだ桃太郎の本を手に取ってみました。

例文②

最近、川の近くを散歩するが私の日課です。夕方の水辺は涼しくて、とても気持ちがよいです。ふと、川を見つめていると、サッカーボールが流れてきました。誰かが川に落としてしまったのでしょう。ふと、桃太郎を思い出しました。

本当に起きていないことでも、作文では話を作って書いてみましょう。サッカーボールが流れてきたことにして、読書感想文を書き進めましょう。

「前置き」で書く内容

「準備運動」で何をするかは、人それぞれ異なりますよね。しかし、だいたい何ををするかは似ています。以下が、読書感想文のよくある前置きの内容です。

① その本を読もうと思った理由
② 本の内容に関連した最近の出来事
③ その本が書かれたと思われる社会や歴史の背景

「① その本を読もうと思った理由」は最も書きやすいかもしれません。例えば、スポーツに関する小説の読書感想文を書くなら、「スポーツが好きだから」「最近、スポーツをするのが楽しいから」という、本を読もうと思った理由やきっかけを書けばよいでしょう。

「② 本の内容に関連した最近の出来事」は、ニュースや社会問題や、自分の身に起きたことで、本の内容に近いことを書きましょう。スポーツの本を読むなら、「コロナでスポーツをする機会が減っている」「○○選手が金メダルを取った」「最近、テニスの試合で勝った」などという前置きが書けますね。

「③ その本が書かれたと思われる社会や歴史の背景」は、読んだ小説が過去の出来事を扱っていたり、昔に書かれた本であった場合に、その本が書かれた時代やその時代の社会について書くことができます。夏目漱石の本について書くならば、漱石が生きた明治時代について少し調べて、前置きを書いてもいいでしょう。

本の内容の説明

「前置き」を書いたら、次に簡単な本の内容の説明を書きましょう。本の内容を全く知らない人に、あらすじを教えるつもりで書きましょう。

では、また、桃太郎を参考に、前述した「前置き」に次に来る部分として、「本の内容の説明」の例文を見てみましょう。

「桃太郎」のような童話でも、しっかり構成が整っていたら、立派な読書感想文になります!

例文① (本の内容を少し説明する場合)

『桃太郎』は日本の昔話の中でも、最も有名な話かもしれません。おばあさんが川で洗濯していると、大きな桃が流れてきて、それを持ち帰って食べようとすると、中から赤ちゃんが出てくるという有名な書き出しではじまります。赤ちゃんは「桃太郎」と名付けられ、老夫婦に大切に育てられ、成長した桃太郎は鬼退治の旅に旅立ちます。

本のタイトルは普通、二重カギかっこ『』を使って書きます!

例文② (本の内容を結末まで説明する場合)

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきて、その中から赤ちゃんが飛び出してきました。おじいさんとおばあさんが『桃太郎』と名付けたその赤ちゃんは、力持ちの子どもに育ち、鬼退治の旅に出ます。途中で、キジ、サル、イヌの仲間を見つけ、鬼が住む鬼ヶ島にたどり着いた桃太郎は、鬼の大将を退治して、鬼の宝を持って、おじいさんとおばあさんの家に戻るのです。

本の内容は全部説明してもいいですし、途中まででもOKです。この次にどのような内容を書くかを考え、自分の作文に合った方を選びましょう!

本の中で論じたい部分・自分の感想

次に、読書感想文において、自分が最も書き深めたいことに関連する本の内容を、少し詳しく書きましょう。

その後に、その内容に関して、自分の感想や意見を書きます。

・ 本の中で印象に残った箇所
・ 自分の意見や感想に最も関連する部分

に、フォーカスするのが良いでしょう。

本の内容の一部分を詳細に書いてもいいですし、本全体から関係する箇所をまんべんなく拾ってきてもいいでしょう。

例文① (本の一部を詳細に書く場合)

ここでは「鬼退治」の部分を詳細に書いています!

鬼ヶ島に着いた桃太郎は、次々に鬼を退治し、鬼の大将も倒してしまいます。十五歳の桃太郎に、鬼達は簡単に倒されてしまいます。そして、桃太郎に降参した鬼の大将は、桃太郎に自分の宝を与えます。

ふと、鬼とはそんなに弱い生き物なのか、と私は疑問を持ちました。そして、力で鬼をこらしめ、鬼から宝を奪った桃太郎のほうが「鬼」のように思えてしまいました。鬼の側からこの物語が語られたら、桃から生まれた「妖怪」が自分の住処に乗り込んできて、仲間が殺され、宝が奪われるということです。桃太郎は略奪者、または悪人です。

例文② (全体から関連箇所を抜き出す場合)

桃太郎では、桃から生まれる意外にも、不思議なことがたくさん起こります。サルやイヌがしゃべったり、十五歳の桃太郎ひとりが鬼の集団より強かったりします。

昔話だから、そんなことは当たり前だと思う人が多いかもしれません。しかし、真面目に考えて見ると、桃から子どもが飛び出してきたのを目にしたおじいさんとおばあさんは、その赤ちゃんをすぐに育てようと思うでしょうか。普通の人間ならば、まず逃げるか、桃太郎を「怪物」だと思うはずです。また、桃太郎が普通の子どもならば、サルやイヌがしゃべったら、仲間にしようとするのではなく、まず驚いたり、怖がったりすると思います。

自分の感想や意見を書くポイント

自分の感想や意見は、だれもが普通に思うことではなく、

・普通、人が思うことと異なること
・常識と思われていることとは異なること

を書けたらよいでしょう。

面白い本を読んで「面白い」と書いても、ダメではないのですが、それでは、わざわざ読書感想文として書くほどのことではありませんし、逆にネタが尽きて書きつづけるのが難しくなってしまいます。

なので、普通とは「逆」に考えてみましょう。

・ おじいさんとおばあさんが桃から子どもが出てきて驚かないのは奇妙ではないか?
・ 悪いことをしている証拠があるわけでもないのに、「鬼」と決めつけて倒してもいいのか?
・ きびだんごをあげたくらいで、サルやイヌが仲間になってくれるだろうか?
・ もしかしたら、桃太郎が「仲間にならないと殺すぞ」と脅して、サルやイヌを従えたのではないか?
・ そもそも、サルやイヌと話せる桃太郎は人間ではないのでは?
・ いや、桃から生まれた妖怪が「桃太郎」なのでは?
・ 山に住むおじいさんとおばあさんも「妖怪」だったから桃から人が出てきても驚かなかったのでは?

このように、普通とは「逆」に考えて、読書感想文の議論を先に進めましょう。

抽象化

「抽象化」とは少し、聞き慣れない言葉ですね!

「抽象化」とは、物事の一部の性質を抜き出して、いろいろな物事に当てはまるような形に整えることです。

ちょっと、難しいので、また、桃太郎を例に考えてみましょう!

例えば、「桃太郎は鬼を退治した」というのが桃太郎の内容ですね。この一文は、『桃太郎』にしか当てはまりません。また、「桃太郎では不思議なことがたくさん起こる」というのも、『桃太郎』の本の内容にだけ当てはまります。

このような文章は、抽象的な表現ではありません。むしろ、その反対の言葉である「具体的」な表現です。

では、この表現をいろいろな場合に当てはまるように「抽象化」してみましょう。

「主人公が悪人を倒した」
「昔話では不思議なことがたくさん起こる」

このように書けば、いろいろな物語に当てはまりますね!
このように、性質だけ抜き出して書き直すことが「抽象化」です!

例文①

主人公・桃太郎の側から語られる『桃太郎』では、桃太郎は善人で、鬼が悪人です。しかし、鬼の側からこの物語を語るならば、桃太郎は侵略者であり、悪人です。そもそも、『桃太郎』の中では「鬼」がどんな姿をしているか語られていません。これらの「鬼」が人間の姿をしているとも考えられます。このように、語られる視点が変わると、善人と悪人が入れ替わってしまうものなのです。

太字にした部分が「抽象化」した部分です。
『桃太郎』以外の物語にも当てはまりますよね!

例文②

『桃太郎』に限らず、昔話やおとぎ話を読むとき、その中で不思議なことが起こっても、私たちは「作り話だから」と深く考えません。本当にこれで良いのでしょうか。

シンデレラは魔女のおばあさんに魔法でドレスを着せてもらったので、12時で魔法が解けてしまい、ドレスも消えてしまいます。しかし、なぜガラスの靴は消えなかったのでしょうか。12時の鐘と一緒に、ガラスの靴も消えているはずです。

これらの話を読むとき、私たちは「作り話だから」という理由で、自分の頭を使って深く考えず、疑問を持つこともせずに受け入れてしまいがちです。

まとめ

最後です! あと少し、がんばりましょう!

最後に、読書感想文のまとめを行います。

ここでは、すぐ前で抽象化したことを、今度は「具体化」するとよいでしょう。

抽象化とは、「いろいろな場合に当てはまるようにする」ことでしたね。なので、自分の生活や現在の社会問題などにも当てはまるような形になっているということです。

本の具体的な部分を抽象化して、自分や社会に関係のあるところでさらに具体的に述べる。これが最も理想的な読書感想文のまとめです。

例文①

同じ出来事であっても、桃太郎の視点からストーリーを考えるのと、鬼の視点からストーリーを考えるのでは、善人と悪人がまったく逆になってしまいます。

最近、友達とけんかをしたとき、私たちはふたりとも相手が悪いと決めつけて、けんかを続けてしまいました。しかし、桃太郎と鬼がそうであるように、双方にそれぞれの「正義」や「理由」があります。お互いが自分の言いたいことばかりを言っていては、何も進展しません。

社会のひとりひとりが、自分の意見を主張するだけではなく、相手の視点に立って物事を考えられたならば、友達同士のいざこざから、領土問題、原発や憲法改正の是非などの社会問題まで、堂々巡りをつづけている問題の解決の糸口が見つかるのではないでしょうか。

例文②

桃太郎やシンデレラの「ありえない話」を深く考えもせずに受け入れてしまっていてよいのでしょうか。昔話に関してならば、それでもよいかもしれませんが、それが社会問題や私たちの未来に関して起こってはならないと思います。

ある人が「原発は事故が起こったら取り返しがつかないから廃止するべきだ」と言っていたからといって、それだけの情報から「原発は悪」だと決めつけてはならないと思います。たしかに原発自己が起こると取り返しがつかないのは事実ですが、現に、原発が稼働しているからこそ私たちのもとへ電気が届いています。

原発廃止を訴えている人は、私たちのもとに電気が届かなくてもよいと思っているわけではないでしょうし、火力発電所を増やして環境を悪くしたいわけでもないでしょう。原発が動いていることで、実際に私たちが得られている恩恵があるのです。

このように、意見をそのまま受け入れるのではなく、自分の頭で考えて、その是非を問うことが大切だと思います。

本ウェブサイトには、いろいろな本の読書感想文の例文を載せているので、ぜひ参考にしてみてください!

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