わたしたちがよくみるアジサイはセイヨウアジサイと呼ばれる品種です。実はこのアジサイ、花のように色がついている部分は「花」ではなく、花の「ガク」なのです!
日本原産のガクアジサイと品種改良されたセイヨウアジサイ
日本にはセイヨウアジサイがたくさん咲いていますが、実はアジサイは日本原産の植物です。
日本原産のガクアジサイという品種が中国に伝わり、それがさらにヨーロッパへも広がり、品種改良されてセイヨウアジサイとなりました。品種改良された日本原産のガクアジサイが、現在日本に戻ってきたのです。
ガクアジサイもセイヨウアジサイほどではないにせよ、花壇に植えられていることがありますね。これがなぜ「ガクアジサイ」という名前かというと、その名の通り、アジサイの色の付いている「花」と思われている部分が、実は花のガクであるからです。
ガクは花の下にある花を包んでいる小さな葉っぱの部分のことです。なので、ガクアジサイを改良してできた色の付いたガクだけになったセイヨウアジサイの「花」は全部ガクなのです。
アジサイの花はどこにあるか
アジサイの色のついた部分はガクなのですが、では、アジサイの花はどこにあるのでしょうか。
ガクアジサイの場合には、中心部分にたくさん集まっているのが花です。よく見ると、おしべもめしべもあります。
一方、セイヨウアジサイの場合は、品種改良によって花をなくしてしまったので花がありません。そのため、セイヨウアジサイは挿し木でしか増やすことができません。挿し木で増やした花はクローンなので、全く同じDNAを持つことになります。
アジサイの葉には毒がある! 食中毒も起きている
また、アジサイの葉には毒があります。お刺身などに飾りとして添えられていたアジサイの葉を間違って食べてしまって食中毒を起こしてしまったという事例も報告されています。しかし、「毒をもって毒を制す」という言葉もあるように、毒と薬は表裏一体であり、毒の中で人間にとって有益なものを「薬」と呼んでいます。そのため、アジサイの葉は薬にもなるのです。