木村資生は日本の生物学者で「中立進化説」を唱えたことで有名です。生物学において最高の賞であるダーウィン・メダルを日本人でただひとりだけ受賞している人です。
ダーウィンは「自然選択」による進化という環境に適応した種が自然に選ばれて生き残り進化していくという「ダーウィン進化論」を唱えました。はじめ、ダーウィンは「神への冒涜だ」と非難の的とされましたが、次第に世界中の研究者からダーウィン進化論は認められ、定説として定まることとなりました。
そして、ダーウィンの進化論が「あたりまえ」となったところに登場したのが木村資生です。
彼は、分子レベルの進化、つまり細胞やDNAといった小さな小さな単位で進化を考えると、ダーウィンの進化論はあてはまらないのだ、ということを提唱しました。ダーウィンが「神」となっていた生物学会では論議の的となりましたが、現在では木村資生の中立説は「ダーウィンに当てはまらない進化もある」と世界中で認められています。