いろいろな生物の不思議なオス・メスの決まり方

ライオンの雄と雌

通常、ヒトを含め、多くの哺乳類はY染色体があるときにオスになります。染色体とはDNAがぐるぐるまきになっている「DNAの束」のようなものです。ヒトは通常、DNAを46本持っていて、そのうちの2本が女性になるか、男性になるかを決定する「性染色体」です。

性染色体には2種類があり、1つはX染色体、もうひとつはY染色体です。X染色体を2本もつ「XX」の組み合わせのときに女性になり、X染色体を1本、Y染色体を1本もつ「XY」のときには男性になります。

なお、「YY」の組み合わせをもつヒトは絶対にいません。下の図を見ると、YYの組み合わせが生じないことがわかると思います。極めて稀に「YY」の組み合わせが生じることがあるのですが、成長することができず、胎児のときに死んでしまいます。

バッタはY染色体を持っていません。また、カではX染色体とY染色体は区別ができません。雌として生まれて、その後、雄となる生物もいます。このように性の決定は単純にXXが雌になりXYが雄になるわけではありません。

この記事では、不思議な性の決定について見ていきたいと思います!

  1. 性染色体が逆になる – XYは雌
  2. 受精卵がすべて雄 – 受精することで雌が生まれる
  3. 環境によって性別が変わる

性染色体が逆になる – XYは雌

鳥類やガやチョウなどの昆虫では性染色体がヒトとは逆になっていることがあります。つまり、XXが雄になり、XYが雌になるのです。このタイプの生物は動物でも植物でも存在しています。

また、ハエの場合は、X染色体が1本だけのときは雄になり、XXYのときには雌になります。

未受精卵がすべて雄 – 受精することで雌が生まれる

未受精卵はすべて雄となり、受精卵が雌となる性決定が行われる生物もいます。いくつかの昆虫、とくに膜翅目の昆虫でこのような性決定がなされます。膜翅目とはミツバチやアリの仲間です。

ミツバチは、雌は染色体を母と父の2人から受け取りますが、雄は母親からのみ染色体を受け取ります。そのため、ミツバチの雄では「父親はいないが祖父はいる」という不思議な現象が起こるのです。

環境によって性別が変わる

魚の中には、はじめは雌で、その後、雄に変わる種がいます。クロダイは若い個体はすべて雄です。しかし、孵化してして2年ほどたつと、精巣内に卵巣の組織が形成されはじめ雌になります。

また、ハーレムを作っている魚で、雄が一匹しかいないときに、その雄が死んだりいなくなってしまったら、雌の中で最も力の強い個体が雄に変化する魚もいます。ベラやハナダイがこのような性転換をします。

温度で性が変化する生物もいます。ミシシッピワニは、34℃以上では雄しか生まれませんが、30℃以下になると雌しか生まれません。反対に、アカウミガメの場合、32℃以上ではメスしか生まれません。

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