「黒い花」がない理由

黒い花って見たことがありませんよね。黒い花がないのは当たり前だと思っている方もいるかもしれません。しかし、黒い花がないのには理由があるのです。

花の色を決める色素は3種類

花の色を決める代表的な物質にはフラボノイド・カノテノイド・ベタレインの3つがあります。

多くの植物がフラボノイド系の色素を持っていて、この色素は黄色から青色までの幅広い色を発色することができます。たとえば、ブルーベリーの色素としてよく聞くアントシアニンはフラボノイド系の色素です。

カロテノイド系の色素は黄色からオレンジや赤を発色し、ベタレイン系の色素を持っていれば黄色から紫の色が発現します。

そう、黒を発色する色素はないのです。だから、黒い花はないのです。クロユリという植物があって、名前のとおり黒いユリなのですが、このユリはアントシアニンが強く発色しているだけで、濃い紫なのです。

クロユリは「黒」ではない

また、虫は色を認識するといわれていますが、その目的は植物の花や葉を見分けるためのようです。そのため、虫には黒が必要ないため、虫は「黒」を知らない、「黒」が見えないとも言われています。おもしろいですね。

花を白く発色させる色素もない

そして、お気づきの方もいるかもしれませんが、黒だけではなく、白を発色する色素もありません。しかし、ユリやカスミソウ、バラなど、白い花はたくさんありますね。どうして、白の色素はないのに、白い花はあるのでしょうか。

「白い花」の花びらを潰してみても、白い色は付きません。透明の汁が指につくだけでしょう。つまり、「透明の色素」の場合は、白く見えるのです。

滝や波を思い浮かべてください。滝は白く見えますよね。しかし、実際の水は透明です。これと同じ原理で、「透明の花」は白く見えるのです。

タイトルとURLをコピーしました