相同染色体と二価染色体の違い | 減数分裂

相同染色体は遺伝的に類似した2つの染色体のことで、二価染色体は交叉が起こった後の染色体の形態を指します。

二価染色体（Dyad Chromosome）： 二価染色体は、染色体が交叉（クロスオーバー）を起こした後の状態を指します。交叉は、染色体の非姉妹クロマチッド（同じ染色体の異なる部分）間での相互交換が起こる過程で、遺伝子の組み換えをもたらします。交叉が起こると、二本の染色体が相互に絡み合い、クロスオーバーポイントで交換が起こるため、二価染色体が形成されます。二価染色体は、減数分裂（細胞分裂の一種）のプロフェーズI（交叉が起こる前の段階）で観察されます。

要約すると、

相同染色体(そうどうせんしょくたい)とは

相同染色体（Homologous Chromosomes）は、遺伝学的に似た特徴を持つ2つの染色体を指します

相同染色体は、形状、サイズ、染色体上の遺伝子の位置などが似ていて、対応する遺伝子の対が存在します。そして、減数分裂のときに対合します。

有性生殖を行う生物は二倍体と呼ばれていて、同じ種類の染色体を2本ずつもっています。
ヒトも二倍体で、ヒトの染色体は46本ですが、23本を父親から、23本を母親からもらいます。

染色体は大きい順に、1番染色体、2番染色体……と呼ばれます。

父親と母親の両方から染色体をもらうため、1番染色体を2本、2番染色体を2本……と22番染色体までそれぞれ2本ずつもっています。

この2本ずつの組み合わせの染色体は減数分裂のときに対合しますが、1番染色体と3番染色体が対合することはありません。

この対合する2本の染色体のことを「相同染色体」と呼んでいます。

二価染色体(にかせんしょくたい)とは

二価染色体（Dyad Chromosome）とは、交叉した相同染色体のことです。

交叉とは、染色体がDNAを交換するプロセスのことです。

減数分裂の際に、染色体はDNA量が2倍になり、「X」の文字のような形になります。

このXの形になった相同染色体どうしが並んで交叉が行っている4本足の状態の染色体が「二価染色体」です。