![](https://seibutsujournal.com/wp-content/uploads/2021/02/%E6%B0%B8%E4%B9%85%E4%B8%8D%E5%88%86%E9%9B%A2%E3%82%92%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%99%E4%BB%98%E7%9D%80X%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93-1024x887.png)
ショウジョウバエの2本の染色体がセントロメアで結合し、1本として子孫に伝えられることがあります。このような付着X染色体は永久不分離、つまり減数分裂において永久に分離することはなく、2本がくっついたまま受精します。
このため、上の図で見られるように、父親から息子へとX染色体が伝えられることになります。そのため、付着X染色体は研究において役に立ちます。
ショウジョウバエの性の決定は、Y染色体が雄性を決定するのではなく、X染色体が2つ(かそれ以上)あることが雌性を発現させます。そのため、雌の性染色体の染色体の構成がXXYとなることがあります。
XXYの雌とXYの雄を交配させることで得られる子供の染色体構成も、親と同じXXYの雌とXYの雄となります。子供のXXYの個体も妊娠が可能なので、実験で用いることができます。
突然変異の研究では、雄を突然変異を誘発する何らかの要因で処理したとき、劣性のX連鎖突然変異は雄の子供で表現されます。普通の染色体では孫の代にならないと発現しませんが、子供の代で実験を観察できます。下の図のように、通常は赤眼の雄は1世代目では得ることはできませんが、付着X染色体を用いた実験では、子の代で赤眼の雄を得ることができます。
![](https://seibutsujournal.com/wp-content/uploads/2021/02/%E4%BB%98%E7%9D%80X%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E3%81%AE%E5%AE%9F%E9%A8%93%E3%81%A6%E3%82%99%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8-1024x403.png)
このように、付着X染色体を活用することで、突然変異の研究で1世代を節約することができるのです。