家系図だけで遺伝子を分析する – 遺伝病・二重まぶた・身長などを分析!

そこそこの大きさの家系図があれば、目の色や鼻の高さといった自分の形質にを分析することができます。特に、遺伝病や遺伝的異常は珍しいものであり、メンデル性形質をしていることが多いので、欲に簡単に確率を調べられます。

この記事では、家系図を使って簡単に行える、3つの遺伝形式を調べる方法について書いていきます!

遺伝学で家系図を書くときに使う記号

歴史の教科書に出てくるような家系図とは異なり、遺伝学で用いる家系図には少しルールがあります。まずは、そのルールについて説明します。

まず、男性は四角、女性は丸で示されます。遺伝子による特徴には、男性にしか現れないというものがしばしばあります。伴性遺伝という性別に伴う遺伝です。なので、遺伝学においては性別が重要になってくるため、このようなルールがあります。ちなみに、性別がわからない場合は、ひし形が用いられることがあります。

二つ目に、遺伝学では重要な表現型を持つ人物には色を付けたり影をつけたりして目立たせます。上の図ではaaの遺伝子を持つ女性がハイライトされています。たとえば、家族の中で受け継がれる遺伝病の場合、発病した人が色つきになります。

三つ目に、兄弟姉妹は性別にかかわらず生まれた順に左から右へ並べられます。なので、上の図の家では、Aaの女性、Aaの男性、AAの女性の順番に生まれたことになります。

また、稀ではありますが、近親交配のときには配偶者同士を結ぶ一本線が二本線になります。いとこ同士の結婚などの場合などが挙げられます。近親交配になると、遺伝病が発現しやすくなるからです。

常染色体で優性の遺伝

常染色体優性である家系図の例
一般に四角は男性、丸は女性を示し、形質の発言者は黒く塗られている

常染色体 において優性である形質は簡単に判断できます。それは、絶対に世代を飛び越えて発現することがないからです。

常染色体で優性の遺伝の場合、すべての世代でその表現型が発現します(上の図のように親がヘテロで劣性ホモの場合でも、優性の遺伝子Aの形質は3/4の確率で現れます)。3世代の家系図を見て、そのどれもに同じ表現型の特徴があったら、それは常染色体優性の遺伝である可能性が非常に高いでしょう。

常染色体で劣性の遺伝

常染色体にて劣性で遺伝する例

常染色体で劣性の形質の判断は容易ではありません。両親が正常であっても、子供に異常が現れてしまうので、非遺伝的な形質や複数の遺伝子が関わって生じる形質と見分けることが難しいものです。

特に、常染色体劣性の遺伝による病気は、兄弟姉妹を除けば親や親戚の中に病気にかかったものは全くいない場合が多いです。劣性遺伝は近親婚で多く発現するので、ある病気が近親婚をした両親の子供に多い場合は、劣性遺伝によるものである可能性が非常に高くなります。

ただし、ある病気を発現した兄弟姉妹が、なんらかの環境要因のために病気になってしまった可能性も否定できないので、判断が難しいものです。

X染色体に連鎖した劣性の遺伝

伴性遺伝の家系図の例
男性だけに病気が現れる

親戚の中で、男性にだけ病気が見られた場合、それはX染色体に連鎖した劣性遺伝が起こっている可能性が高いです。これは伴性遺伝と呼ばれ、女性よりも男性が圧倒的に影響を受けやすいものです。

男性は、X染色体とY染色体を1本ずつもっていますが、X染色体は母方から譲り受けたものです。なので、X連鎖劣性の病気にかかったら、それは母方に由来しています。

父親から息子へと受け継がれるY染色体による遺伝もないわけではないのですが、X染色体に関連した遺伝よりもはるかに頻度が少ないです。それはY染色体があまり遺伝子をもってはいない染色体だからです。

タイトルとURLをコピーしました