【ゼニゴケ】有性生殖をするけれど性別がない珍しい生物

ゼニゴケ

ゼニゴケの 配偶体胞子体 は、他の生物のライフサイクル(生活環)とは異なっていることで重要です。

配偶体と胞子体という2つの生物学用語の意味が曖昧な方は、まずその意味をしっかりチェックしてください!

ゼニゴケの性は哺乳類と同じようにX染色体とY染色体によって決まりますが、その性染色体の働き方は他の生物とは異なります。

ゼニゴケの 単相 の配偶体にはXをもつものと、Yをもつものの2種類があります。この2つは似ているのですが、Xをもつ配偶体はYをもつ配偶体としか融合することはできません。そのため、すべての胞子体はXYという染色体構成になるのです。

そのため、減数分裂 でも、4つの単相の胞子ができるのは他の有性生殖を行う生物と同じなのですが、そのうちの2個はX染色体をもち、残りの2つはY染色体をもちます。

ゼニゴケのライフサイクル

ゼニゴケは遺伝的な分析でとても都合がよい種です。それは、減数分裂によって作られた4個の単相細胞が同じ1つの袋に入っているからです。このため、メンデルの分離の法則をしっかりと観察ができます。他の種では、メンデルがエンドウの種子を数えたようにして、統計的に行うしかない実験を、しっかりと目に見える形で行うことができるのです。

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