SNPの判定法

1塩基の変異が一定以上の割合で広くある生物集団のゲノム中に存在するとき、その多型のことを「一塩基多型(スニップ)」と呼びます。

研究やDNA鑑定において広く利用されているSNPですが、このSNPはどのように判定されるものなのでしょうか。

PCR法

SNPの判定が行われるようになったばかりの初期から、PCR法は用いられてきました。

PCRで増幅させた2本鎖DNAを、目的に合わせた制限酵素で切断し、断片の塩基配列の長さ(鎖長)を比較することで、特定のSNPの有無を判定します。

しかし、この方法には、SNPがある場所を正確には特定できなかったり、複数のSNPを同時に判定できないなどの欠点がありました。現在でも、高校や大学での実習用としては用いられています。

DNAチップ法

PCR法では多数のSNPを同時に判定できないのですが、現在ではいくつかの方法が開発されています。

「DNAチップ法」では、一度に10万以上ものSNPを判定できます。

しかし、前処理としてDNAを蛍光色素で標識する必要があるので、DNAが細断化されてしまっている遺骨の分析には不向きであるという欠点があります。また、蛍光検出機器は高価であるというのも欠点です。

APLP法 (Amplified Product Length Polymorphism)

「AOLP法」は、SNPに特異的なプライマーを用いて、旧式の電気泳動を使って判定する方法です。装置が安価で、多くのSNPを低コストで同時に検出できます。検出速度も速く、識別能力は高い方法でもあります。

ただし、職人技とコツを必要とするので、あまり多くの人に普及されている方法ではありません。1

追記・参考文献

  1. DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで』梅津和夫, 講談社, 2019
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