「国語」は戦争のために作られた! 日本の学校で「国語」を学ぶ意味

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学校では「日本語」の授業のことを「国語」と呼びます。しかし、英語には「国語」という言葉はありません。外国では「国語」の授業もありません。

アメリカでは、英語について学ぶ授業は「英語イングリッシュ」で、スペイン語について学ぶ授業は「スペイン語スパニッシュ」です。日本だけが、日本語の授業のことを「国語」と呼びます。

なぜ日本ではこのように異なっているかというと、日本語には方言が多く、そもそも「日本語」という共通語が存在しなかったからです。

現在でも、共通語と関西弁や東北弁を比べてみると、それなりの違いがありますが、昔はお互いが全くコミュニケーションができないほど異なっていました。

昔の日本では、「東京の人が話す言葉」と「東北の人が話す言葉」は、「スペイン語」と「ポルトガル語」の違いくらいあったといわれています。ポルトガル人は勉強しなくても、スペイン人の話すことがだいたいはわかるのですが、それくらいの違いが「日本語」の中にあったのです。

ずっとそれで大丈夫だったのですが、戦争がはじまると問題が生じました。兵隊は全国から集められましたが、その兵隊たちが指揮官の話す「日本語」が理解できなかったのです。戦争で、指揮官が「退却せよ!」と命令している、兵隊が退却しなかったら大問題です。

これではいけない、と日本政府は「共通語」として「山手言葉やまのてことば」という東京の一方言を「国語」とすることに決め、学校で教えるようになりました。

そのため、私たちが学ぶのは今でも「日本語」ではなく「国語」なのです。

これは日本だけで、例えば、イギリスでは「国語」としての英語がないので、首都ロンドンで話されるような言葉遣いは学校では教えられず、そのため話すことはできません。イギリス人は、スコットランド方言、リバプール方言、バーミンガム方言、とそれぞれの地域の方言だけを話します。

そもそもこの「国語」という言葉にも問題があります。

日本人の中には、北海道の少数民族である「アイヌ人」も含まれます。アイヌ語は日本語とは全く異なる言語です。アイヌ人にとっては母国語はアイヌ語だというのに、アイヌ語は「国語」ではない。そのためアイヌ語はほとんど死語となってしまっています。

「国語」は単なる教科の名前ですが、色々考えさせられられると思いました。

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