江戸時代、お寿司はファストフードだった!

「すし」には握り寿司、巻き寿司、ちらし寿司といろいろな種類がありますね。

「寿司」と書かれることが多いですが、「鮓」か「鮨」が本来の表記で、広辞苑の見出しの表記もこのふたつが掲載されています。一方、「寿司」は当て字として広まったものです。

寿司の歴史は古く、奈良時代にはじまりました。しかし、現在、わたしたちがイメージするような「寿司」とは異なり、発酵食品として塩で煮込んだ「なれずし」と呼ばれるものでした。

本もろこのなれずし

なれ寿司は、現在でも、奈良県や滋賀県の郷土料理です。

現在の酢飯に魚をのせた「寿司」の形態が完成したのは江戸時代です。

握り寿司を考案した人物には諸説あり、はっきりとわかってはいません。

しかし、江戸時代中期になると、庶民が小腹が空いたときに「立ち食い」するファストフードとして広まっています。

東京湾で獲れる魚を使っていたので、「江戸前寿司」と呼ばれるようにもなりました。

回転寿司がはじめて登場したのは1958年の大阪だと言われています。

1980年代にはお寿司のお持ち帰りのチェーンが誕生し、次いでバイクでの宅配寿司も登場しました。

アメリカで寿司やがオープンしているのは明治時代です。

1893年にロサンゼルスにある日本人町「リトルトーキョー」で天ぷらや蕎麦が食べられる日本食レストランが誕生し、寿司専門のレストランは1906年に開業しています。

現在では、sushiは英語の辞書に掲載されるほど、日本食の代名詞として世界中で人気がある料理となりました。

参考文献: 『日本の伝統文化しきたり事典』中村義裕著、柏書房 (2014)

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