カーナビやスマホで自分の位置がわかる仕組み

カーナビやスマホで自分のいる位置を調べるためには、人工衛星からの電波を受け取っていることはよく知られています。しかし、どうやって自分の位置が測定できるか知っている人は少ないのではないでしょうか。

人工衛星は電波で地上に情報を送っていますが、その情報は衛星自身の位置の情報だけです。実際に、衛星が送信した情報をもとに位置を測定しているのは、カーナビやスマホなどの受信機に搭載されている計算機なのです。

受信機が自分の位置を計算するためには少なくとも4つの人工衛星が必要です。なぜ人工衛星からの情報が4つも必要かというと、位置を測定するためには4つの「不確定要素」があるからです。

まず、地球が球体であるので1点を決定するためには3つの座標が必要です。数学でも、立体の座標は(x, y, z)と表しますね。

次に、人工衛星から送信された電波を、地球の受信機が受け取るまでかかった時間も考慮しなければなりません。人工衛星はものすごいスピードで地球の周りを回っているので、1秒後には3キロ〜7キロも離れた場所に進んでしまっています。カーナビが7キロも離れた場所を示しても何の役にもたたないですよね。

そのため、電波が届くまでにどれくらの時間がかかっているかという時間(t)も「不確定要素」となります。

受信機が(x, y, z, t)の4つを変数として、4つの人工衛星の位置情報を式に加え、4つの連立方程式を解けば、地球上の1点が定まります。こうしてカーナビやスマホは自分の位置を知ることができるのです。

受信機が信号を受信できる衛星の数が多ければ多いほど位置情報が正確になります。そのため、日本政府は「QZSS」という日本版のGPSを運営しています。

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