レーザーとは何? 普通の光と何が違う? なぜ物を燃やせたり、通信ができたりするのか

レーザーは「20世紀最大の発明」と称されています。
現在、レーザーは、科学の研究で使用されるのはもちろん、工業や医療に応用もされている欠かせない存在となっています。

しかし、そもそもレーザーとは何なのでしょうか。

レーザーは電磁波の一種です。電磁波は波長、振幅、位相の三要素によって性質が決定します。
例えば、電磁波が通信に利用される際には、振幅や位相が重要となります。

様々な分野で電磁波は利用されてきましたが、特に位相を制御することは困難とされてきました。
しかし、1958年に位相をコントロールできる発振器が提案されたときでした。この発振器には無数の原子が存在し、誘導放出という現象によりフォトン(光を構成する粒子)を放出します。

通常、自然光では原子がバラバラに光を放出しますが、発振器による誘導放出光では位相が同じ光を放出することが可能になりました。これがレーザーの始まりです。

位相が一定のフォトンの集合した光のことがレーザー光で、いわば多数のフォトンが同じ「言語」を用いて協力しているような状態なので、高度な技術に応用することが可能なのです。

この光発振器を用いてレーザー光を発生させる技術はアメリカの物理学者チャールズ・タウンズによって開発され、彼はこの業績により1964年にノーベル物理学賞を受賞しました。

レーザー技術はその後も進化を遂げ、誘導放出を利用しない新しいタイプのレーザー、自由電子レーザーが開発されました。この新型レーザーは電子を極めて高速に加速し、空間的に変動する磁場の相互作用によりフォトンを発生させるという革新的な方法です。

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