年をとるにつれ気になってくる白髪。幼い子どもで白髪が生えている人は滅多にいませんが、20代以降になると黒髪の中にちらほら白髪が交じっている人もいます。
また、小説や歴史で、失恋や絶望よって白髪になってしまったというエピソードがあります。例えば、フランスの王妃・マリーアントワネットは、処刑される恐怖で一夜にして白髪になってしまったと伝えられています。
では、なぜ髪が白くなってしまうのでしょうか。
本来の髪の色は白! 色素によって黒や茶に染まっている
白髪が生えるのは「メラノサイト」という細胞の衰えが原因です!
日本人の髪の毛の色は、黒か茶色がほとんどですが、外国人は金髪や赤毛と、様々な色がありますね。
髪の毛や肌の色を決めるのは、メラニンという名前の色素です。
実は、若くても年を取っていても赤ちゃんでも、人間の髪の毛の色は白です。
そして、その白い髪の毛に、メラニン色素が付くことで、黒になったり茶色になったり赤になったりします。
日本人は黒や茶色のメラニン色素を作る遺伝子を持っており、西洋人は金髪や赤毛を発色させるメラニン色素を作る遺伝子を持っているということです。
もし、遺伝的にメラニンが作れないと、生まれたときからすべての毛が真っ白で、肌も真っ白になってしまいます。まれに動物に真っ白な個体が現れて人気者になりますが、これも遺伝的にメラニンが作れないためで、このような個体はアルビノと呼ばれます。
年を取るとメラノサイトが衰えてしまう
年を取るにつれ、白髪が増えるのは、髪の毛のメラニン色素を作る機能が衰えてしまうためです。
メラニン色素はメラノサイトという細胞で作られます。
このメラノサイトが衰えることによって、髪の毛に色が付かなくなるのです。
年を取る以外にも、睡眠不足や栄養不足、病気によっても髪の毛が白くなることがあります。
しかし、メラノサイトは髪の毛の生え際にあるため、小説や歴史で語られるように、失恋や絶望といったショックで、すべての髪が急に真っ白になってしまうということはありえません。
すでに色が付いた状態で伸びている髪は、メラノサイトの機能が衰えてもそのままです。
そのため、マリー・アントワネットが「一夜」にして白髪になったというのは科学的に起こり得ません。
しかし、恐怖やストレスを長く感じ続けると、髪の生え際から白くなっていく可能性があります。