指紋で個人を識別する方法 – 1兆分の1もの精度を出す仕組み

犯罪の科学捜査で指紋が有力な証拠となりますね!

科学捜査で使用されるのは、指紋には以下の2つの特徴があるからです。

・一生、変化することがない
・同じ指紋を持つ人は二人としていない

現在の指紋鑑定は優秀で、1兆分の1の精度で2つの指紋を識別できるとされています。

この記事では、指紋の識別方法について解説していきます!

「指紋鑑定の父」ヘンリー・フォールズ

指紋が証拠として利用できると知られるようになったきっかけは日本にあります。

明治4年、ヘンリーフォールズというイギリスの医師が来日した際、日本で拇印が使われていることに興味を持ちました。拇印は、指紋を印鑑のかわりにすることです。

また、フォールズは日本で遺跡の調査に参加し、縄文土器についていた指紋にも着目しました。

彼は、研究を重ね、子どもが成長しても指紋は変わらないこと、同じ指紋を持つ人が二人といないことを解明し、発表しました。

指紋の種類

指紋には大きく3つの種類があります。

・ 渦状紋かじょうもん
・ 蹄状紋ていじょうもん
・ 弓状紋きゅうじょうもん

渦状紋は渦が巻いているような模様の指紋で、蹄状紋は馬のひづめに似た模様、弓状紋は弓なりになっている模様です。

渦状紋日本人の約50%に見られ、蹄状紋は40%、弓状紋は10%といわれています。

この3つのどれにも属さない指紋を持つ人もいますが、1%にも満たないと言われています。

指紋の種類の分布には地域差があり、例えばアフリカでは弓状紋が多いとされています。

また、1つの指に2つの種類の指紋が混ざっているような場合があったり、指によって指紋の種類が異なっている場合もあります。

科学捜査では、まずこの指紋の種類が、現場に残された指紋と容疑者で一致するかを確認します。

12特徴点指紋鑑定法

特徴点とは、特徴のある「一部分の線の形」とその「位置」のことです。

2つの指紋において、1つの指紋の特徴点を見つけて着目し、もう1つの指紋の同じ場所に同じ特徴があるかを照合します。

特徴点には様々なパターンがあり、多い人で150~160個、少ない人でも50程度はあるとされています。

2つの指紋において12個の特徴点が一致したとき、同一指紋であると認められます。

これは「12特徴点指紋鑑定法」と呼ばれており、2つの指紋の特徴点が12個一致する確率は1兆分の1とされています。

現在、ほとんどの国がこの12特徴点指紋鑑定法を裁判の証拠として採用しています。

AFIS: 0.1秒で犯人を特定

現在では、コンピューターを使用した自動指紋識別システム: AFIS (Automated Fingerprint Identification System)が採用されています。

警察庁のAFISデータベースには、犯罪者の指紋が800万件、過去の犯罪現場に残された指紋が数10万件も登録されていて、0.1秒未満で特徴点が一致する指紋を特定することができるようになっています。

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