オートファジーについてわかりやすく解説!

オートファジーとは

オートファジーとは細胞が自己の細胞質の一部を取り囲む構造を形成して、リソソームの加水分解酵素を用いて消化することです。自食作用、貪食作用、などと和訳されることもあります。個体の発生や癌の抑制などに関与するはたらきで、飢餓状態の時に発動します。

生まれたばかりの赤ちゃんに起きるオートファジー

胎児は母胎にいる間は臍の緒を通して十分な栄養を得ることができますが、生まれてへその緒を切られてからしばらく、飢餓状態に置かれることになります。食べ物を消化するための消化酵素を合成し、それらが胃や腸に揃うまでには時間がかかるからです。

この際、赤ちゃんは自分の一部を自食して栄養に変え、飢餓期間を耐えているのです。オートファジーが起きないように遺伝しを改変したマウスは出生直後に栄養失調で死んでしまいます。また、脳内のみでオートファジーを起こせないようにしたマウスは、神経変性疾患を起こし、うまく歩けなくなります。このようなマウスの脳では凝集したタンパク質がたまって神経細胞が死んでしまい、病気になってしまったのです。このことからオートファジーは飢餓状態のときだけ起こるのではなく、細胞内浄化も行っているということです。つまり、定期的に細胞内の大掃除のようなことを行っているのです。

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