「植物」「動物」「ネコ科」「霊長類」などと生物の分類方法には様々なものがありますが、一番大きなくくりで分類すると生物は大きく3つに分けられます!
真核生物
まずは最もなじみのあるものから。人間も含め、多くの身近な生物が真核生物に分類されます。
細胞核が膜に覆われている細胞をもつ生物はこの真核生物です。核のほかにもミトコンドリアや葉緑体などの細胞小器官をもっています。
植物も動物も肉眼で見えるような生物はすべて細胞核をもっています。また、単細胞であっても複雑な構造をしている菌類やアメーバなども真核生物です。
真正細菌
真核生物が核膜のある生物だったのに対し、残りの2つは核がない生物です。真正細菌はそのひとつで、細胞膜はあるのですが、核膜はなく、ミトコンドリアもありません。
ほとんどの細菌やシアノバクテリアがこの真正細菌に分類されます。これらの生物は核膜もない単純な構造をしていますが、細胞壁があります。
アーキア(古細菌)
核膜のない生物のもうひとつの分類はアーキアです。「古細菌」と訳されることがありますが、「古い細菌」ではありません。誤解を招く和訳なので、細菌はアーキアとカタカナで表記されることが多くなってきています。
高温度の温泉や高濃度の塩湖などに生息している微生物がアーキアです。真正細菌も微生物ですが、同じ微生物といっても、人と細菌の違いほどに、細菌とアーキアは異なっています。
アーキアはたしかに見た目や大きさは真正細菌に似ています。核膜がないので「アーキアは真正細菌の一種なのではないか」と議論されたこともありますが、DNAの配列を調べて見ると、人と細菌の違いほどに、細菌とアーキア、そして人とアーキアは異なっていたのです。
また、細かい次項ではありますが、膜脂質が化学的に連結しているという点で真正細菌とは大きく異なります。また、アーキアのDNAの複製や翻訳は真正細菌よりも真核生物に似ています。
原核生物
真正細菌とアーキアは原核生物とまとめて呼ばれることがあります。
「原核」とは「核の進化以前」という意味で、核膜がない細胞をもつことを意味します。一方で「真核」は「よく形成された核」という意味を持ちます。
原核生物と真核生物はよく対比されることが多いですが、原核生物は大きく2つにわかれていることは覚えておきましょう!