遺伝の法則を発見したメンデルは、最も有名な生物学者のひとりです。
しかし、メンデルの法則が発見されるまえ、すでに日本では遺伝の法則について知っていた人たちがいました。
それは、江戸時代のアサガオ職人たちです。
江戸時代の後期に、庶民の間で「変化朝顔」というアサガオの色や形を人為的に品種改良させたものが流行りました。
品種改良をするためには遺伝の法則を知っていなければなりません。
そして、変化朝顔の作成技術は当時、全世界でも最も高度な遺伝学的知識だったと考えられています。
しかし、商売のためか、その遺伝学的知識はアサガオ職人たちの間で「秘伝」とされたため、世界に知られることはありませんでした。
もしその技術が秘伝とされなければ、遺伝学の歴史が大きく変わっていたかもしれません。
技術や知識はたくさんの人に知られて、さらに発展するものという性質があるのではないでしょうか。