R因子(耐性伝達因子)についてわかりやすく解説!

耐性伝達因子(Resistance Transfer Factor)はエピソームの一種です。略してR因子と呼ばれることが多いです。エピソーム(episome)とは、細菌の細胞に存在する染色体以外の遺伝因子のことです。エピソームは交叉によって染色体に入ったり出たりすることができます。R因子の他に、有名なエピソームにはF因子があります。

細菌の遺伝的組換え - レーダーバーグの大腸菌の研究とF因子
細菌の遺伝子の受け渡し大腸菌は原核生物の一種です。レーダーバーグという遺伝学者は、大腸菌で交叉が起こらずとも、遺伝的組換えが起こることを示しました。彼は以下のような実験を行いました。組換えの発見 - 細菌は有性生殖をせずに遺伝的組換えを行う...

R因子は医学的に重要です。R因子は環状DNAで、R因子は細菌のゲノムを動き回ることができ、細菌のDNAの一部を取り込むこともあります。また、線毛を生じさせる遺伝子もあります。これらの特徴はF因子と共通なものです。

R因子は抗生物質と深い関係があります。あるR因子を1つ細菌が取り込むと、その細菌はある種の抗生物質に対して耐性をもつことができます。そして、R因子を取り込んだ細菌は生き残ることができ、またそのR因子は他の細菌に伝播されて増殖します。

このように増殖する過程で、R因子は他の耐性遺伝子を取り込むこともあります。そのため、R因子の中には、数種類の抗生物質に耐性をもつものもあります。このようにR因子によって細菌は抗生物質への耐性を高めることができるため、抗生物質は使われ初めて数年が経過すると、ある種の細菌に対して効果がなくなってしまいます。

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